診療案内
診療にあたって
動物さんたちの病気にも一時的な治療でよくなる病気だけではなく、生涯付き合っていかなければならない病気、高齢化に伴い多くなる病気、性別に関連する病気など様々なものがあります。中には手術が必要になる病気もあります。
病気を発見するための必要な各種検査から、検査結果の説明、病気に対しての治療方針まで、飼い主様の不安が少しでもなくなるようにしっかりとご説明をさせていただきます。
治療だけではなく、症状が緩和したあとも再燃しないようにする日々のケアまで、その子にとって一番良い方法を飼い主様と一緒に考えていければと思っております。
一般診療
痛い
具体的な症状
動物さん達も人と同じように身体のどこかに痛みを感じていることがあります。
普段活発な子なのに、最近元気がない。お散歩に行く事を嫌がるようになった。ご飯を食べる量が減ってきた。などの症状がみられた場合は、身体のどこかに問題が発生しているかもしれません。飼い主様が“普段と何かが違うかも”という違和感を感じるときは、病院への受診を検討してあげてください。
考えられる原因
痛みをの原因は様々です。
- 外傷や骨折
- 内科的疾患
- 神経の異常
- 関節などで発生する炎症
また、痛みの種類としても突発的なものから、慢性的なものまで多岐にわたり、その原因によっても必要なケアや治療法は異なります。
主な治療方法
原因により治療方法は様々です。
一過性の痛みであれば、安静や疼痛緩和の為の投薬。
外傷であれば傷口の治療。
内科疾患での痛みであれば原疾患の特定とその疾患に対する治療等を行います。
骨折など、整形外科手術が必要な場合には、整形外科をより専門的に実施している病院さんを紹介させていただいています。
痒い
具体的な症状
多くのペットが悩んでいる痒み。
わんちゃんや、猫ちゃんが頭や体をかいている光景は普通のように感じますが、いつ見てもかいていたり、頭を良く振っていたり、家具や何かの角などにいつまでも体をこすりつけ続けている場合は何かの疾患を疑った方がいいかもしれません。
また、体毛の下の皮膚に赤みがかかっていたり、かさぶたができている場合は獣医師の診察を受けていただくことをおすすめします。
考えられる原因
- マラセチア性皮膚炎
- 膿皮症
- アトピー性皮膚炎
- アレルギー性皮膚炎
- マダニ感染症
- ノミ感染症
- 疥癬
- ニキビダニ感染症
- 皮膚糸状菌症
主な治療方法
皮膚の状態から疑わしい病気の原因を探り、病態にあった治療をしていきます。外部寄生虫には駆虫剤、細菌感染には抗菌剤、アレルギー疾患には食事療法やアレルギーを抑制するお薬といった皮膚の治療もありますが、なかには内臓疾患やホルモン疾患から生じる皮膚の症状や痒みもあるため、血液検査や画像検査から全身の治療が必要になる場合もあります。
吐く・便が軟らかい
具体的な症状
食べたり飲んだりしたものを吐いてしまう、便がいつもよりも軟らかい、何度もトイレに行き、下痢をしてしまうなど。
消化器系に異常がある場合に発症し、腸閉塞のような急を要する場合もありますが、猫が毛玉を吐いたり、嘔吐後の様子が普段通りである場合などで、身体検査で異常を認めない時は、経過観察でも問題ない場合もあります。
まずは吐いたものが何か、その後の様子がいつも通りなのかをよく確認してみることをお勧めします。
ただ、ご自身での判断はなかなか難しいケースもあるので、不安があればお気軽にご相談ください。
考えられる原因
主に消化器系の異常や誤食や被毛の飲み込みが原因であるケースが多いです。
- 胃腸炎や膵炎のような消化器系の異常
- 被毛の飲み込み
- 胃拡張や胃捻転症候群のような急性で致死的な胃のトラブル(大型犬さんに多い)
- チョコレートやブドウのような中毒を起こす食べ物の誤食
- おもちゃなどの異物の誤食
- 食物アレルギー
主な治療方法
原因に応じた治療を行います。
一過性の胃腸炎を疑う場合は、程度によって吐き気止めや点滴による水分補給・投薬での対症療法を行います。
急性膵炎や胃拡張、捻転症候群、異物の誤食による腸閉塞などの急ぎの処置が必要な場合は、入院下での管理や、緊急手術を行う場合もあります。
“何を吐いたか“が、診察を行う上で大事になる事があります。嘔吐物をお持ちいただいたり、写真に撮っておいていただけると助かります。
体にしこりがある
具体的な症状
しこりとは、皮膚や皮下組織といった体表近くに出来たかたまりの事を指し、「腫瘤」と呼ばれることもあります。
日常生活での触れ合いや観察を通じて、飼い主様がしこりを見つけて来院してくださる場合が多いです。
早期発見が大切なので、しこりに気付いた場合は、早めの受診をおすすめします。
考えられる原因
- 腫瘍(良性・悪性)
- 液体の貯蔵による膨らみ
- 炎症による腫れ など
主な治療方法
腫瘍は悪性と良性に分けられます。
良性腫瘍の場合は、特に治療措置を必要とせず、経過観察を選択することがあります。
悪性腫瘍の場合は、ヒトの癌と同じように他臓器へ転移する可能性もあり、腫瘍の種類によって、外科切除や、抗がん剤治療、放射線治療を選択するケースもあります。早期発見、早期切除が重要な場合も多いため、気になる事があれば早めの受診をお勧めします。
口が臭う
具体的な症状
症状としては、動物さんの口の匂いが強くなってしまうことです。
口腔内のトラブルや内臓疾患が原因である場合があります。
考えられる原因
主に考えられる原因は、口腔トラブル、内臓系トラブル、食べ物などです。
- 口腔トラブル(歯周病、歯肉炎、口内炎など)
- 腎機能不全
- 便秘
主な治療方法
口の中を観察して異常がある場合は、適切なケアを行います。お家で行う日常ケア方法をお伝えする場合もありますし、全身麻酔下での歯石除去、抜歯などが必要になる場合もあります。お口から尿のような臭いがした場合は、腎臓のトラブルをおこしている可能性があるため、血液検査や、検査結果に応じた治療が必要になることがあります。
お口から便のような臭いがした場合は、便秘以外にも腸閉塞のような重篤な状態になっていることも考えられますので、口臭だけではなく、元気がなくぐったりしている様子がないかどうかも大事です。
眼が赤い
具体的な症状
白目の部分が充血するように赤くなることがあります。
白目全体が赤くなることもあれば、一部だけ血がにじんだように赤くなる場合もあります。
また、同時に涙の量が増えたり、目ヤニが突然増えだしたり、まばたきがふえる事もあり、原因により症状が異なりますが、目の症状はお家で気付けることも多いため、普段からチェックしてあげるようにしてください。
考えられる原因
外傷性の原因からアレルギーまで様々な要因により発症します。
- 遊んでいたおもちゃが当たって眼球にけがを負った
- 体毛やまつ毛が入り込み眼球を傷つけた
- 結膜炎、角膜炎、ドライアイ
- 緑内障、白内障
- 網膜剥離
- 花粉症
主な治療方法
ほこりが入ってしまったなどの一次的な症状の場合は、洗浄液を使用して、目の洗浄を行うことで改善するケースもあります。
眼の検査をし、結膜炎や角膜炎などであれば、点眼薬での治療で症状が改善する事が多いです。
また、網膜剥離や緑内障などの場合は、投薬治療によって回復する事もありますが、症状の進行具合によっては外科手術が必要な場合もあり、2次診療施設を紹介する場合もあります。
目の異常は放置すると失明などの原因となる事もあるので、数日だけではなく、慢性的に目が赤かったり、目が見えづらいしぐさが認められた場合は獣医師の診察を受けるようにしてください。
咳をする
具体的な症状
人と同じように、気道に何らかの刺激があったり、異物が入ったときに一時的に咳が出る場合もありますが、慢性的に咳をしている場合、何か調子を崩している可能性も考えられます。
発熱症状、チアノーゼ(酸素不足で舌などが紫になる)、動きたがらなくなってしまう、ゆっくりと寝ているのに、突然起きてきて咳をするといった症状が同時に見られるようになった場合は獣医師の診察が必要なことがあります。
考えられる原因
- 誤飲
- 外的刺激
- ウィルス感染(犬アデノウイルス、パラインフルエンザ等)
- 気管虚脱
- 肺炎、気管支炎
- 心臓病
主な治療方法
突発的な、生理現象としての咳は特に問題はありませんが、他の症状が併発している際は治療が必要なケースがあります。
特にチアノーゼ症状が出ていたり、体を横にすることが出来ないような場合はすぐに獣医師の診察を受けてください。
原因により、酸素室での入院治療や、お薬の継続投与などの治療が必要となる事があります。
また感染症などにかかる事で咳が出る事もあるので、予防注射も欠かさずに受けるようにしてください。
息が荒い
具体的な症状
特に犬で「ハッハッ」と激しい呼吸をすることがありますが、多くは体温調整のためのパンティングと呼ばれる動作のため、心配する事はありません。
パンティングは体温調整のための行動なので、運動後や高温下で行われるものですが、特に何もしていないときに呼吸が荒くなっていると注意する必要があります。
猫は普段開口呼吸をしない生き物なので、開口呼吸が継続する場合は、病院への受診をおすすめします。
考えられる原因
体温調節以外の下記のような原因からくる激しい呼吸は注意が必要です。
- 気管支炎
- 気管虚脱
- 肺炎
- 肺水腫
- 心筋症
主な治療方法
パンディングだけではなく、上を向いて呼吸したり、伏せる事が出来ない、チアノーゼ症状がみられるような場合は治療が必要なケースがあります。
原因にもよりますが、投薬治療で症状の改善が見られない場合は、入院や、2次診療施設での手術を必要とする場合もあります。
予防接種
混合ワクチン
成犬・成猫さんはワクチンの種類・生活環境によって年に1回の追加接種、もしくは抗体価検査をお勧めしています。
以前にワクチンアレルギーを起こしてしまい、接種が難しい場合などに「抗体価検査」を行うことで、ワクチン接種の回数を減らしていくことが可能です。
犬の混合ワクチン
混合ワクチン成分 | 6種 | 8種 |
---|---|---|
ジステンバー | ● | ● |
犬伝染性肝炎 (A2) |
● | ● |
犬伝染性 喉頭気管炎(A2) |
● | ● |
犬パラインフルエンザ | ● | ● |
犬パルボウイルス 感染症 |
● | ● |
犬コロナウイルス 感染症 |
● | ● |
レプトスピラ感染症 (イクテロヘモラジー) |
ー | ● |
レプトスピラ感染症 (カニコーラ) |
ー | ● |
レプトスピラ感染症 (グリッポチフォーサ) |
ー | ー |
レプトスピラ感染症 (ポモナ) |
ー | ー |
※アレルギーをお持ちの子の場合は、ご相談ください。
猫の混合ワクチン
混合ワクチン成分 | 3種 | 5種 |
---|---|---|
猫汎白血球減少症 (伝染性腸炎) |
● | ● |
猫ウイルス性 鼻気管炎(FVR) |
● | ● |
猫カリシウイルス 感染症 |
● | ● |
猫白血病ウイルス 感染症 |
ー | ● |
猫クラミジア感染症 | ー | ● |
狂犬病ワクチン
狂犬病は致死率が高く、現在は有効な治療法もないため、発症させないための予防接種が非常に重要になります。
また、ヒトへの感染もするので、ペットだけではなく、ヒトへの感染を起こさないためにも狂犬病のワクチン接種は非常に重要です。
接種し忘れの無いように注意が必要です。
フェレットの予防接種
中でもジステンバーという感染症は飛沫感染も可能な感染力の強い伝染病で、高熱が出て、脱力・脱水症状からはじまり、呼吸器や神経系に症状が現れ、最悪の場合は死に至ってしまう病気です。
その為、産出国やブランド(ファーム)によらず、ジステンバーワクチンの接種を行うようにしてください。
ワクチン接種は1年に1度を推奨しています。
フィラリア予防(ワンちゃん、フェレットさん、ねこちゃん)
室内だけでお外に出ない動物さんも、人が室内で蚊に刺されるようにフィラリアに感染するリスクはあります。
感染した動物を死に至らしめることもある病気ですが、1ヶ月に1回のお薬で予防できる病気です。
フィラリア予防を始める時は体の中にフィラリアがいないか血液を検査した後お薬を処方致します。
フィラリア予防薬には錠剤、おいしく食べれるおやつタイプ、皮膚にたらすだけのスポットタイプがあります。
ノミ・マダニ予防
特に動物さんの集まるところに行く機会が多い子や、お散歩で草むらが大好きな子は1年中のノミ・マダニ予防をおすすめします。
定期予防でご家族を守れるよう、ノミ・マダニのお薬もおいしく食べれるおやつタイプや皮膚に垂らすだけのスポットタイプ、長期間効果が持続するタイプがあります。
健康診断
混合ワクチン
お家に新しくお迎えした、中高齢になった、元気だけど気になることがある・・・タイミングは様々ですが早期に検査をすることで、症状が重篤化することを防ぐことができたり、隠れた病気を見つけてあげることができます。
動物さんは人の数倍の速さで年をとっていきます。定期的な健康診断が、高度な治療よりも病気を未然に防ぎ、ご家族・動物さんの大切な時間を守る力になることだと考えております。
すべての病気が健康診断で見つかるわけではありませんが、しゃべることができない動物さんは、検査をしてやっとわかる病気も多くありますのでお気軽にご相談ください。
ウサギ、フェレット、ハリネズミなど小型哺乳類さんも血液検査や画像検査、尿検査、糞便検査、歯科検診、糸状菌検査等の健康診断を行っております。
※小型哺乳類さんの血液検査や、ハリネズミさんやシマリスさんなどの防御姿勢や運動能力が高い動物さんの検査には麻酔が必要になることがあります。
検査内容
- 血液検査(検査内容によって数日お時間がかかることもあります)
- 腹部、胸部超音波検査
- レントゲン検査
- 尿検査
- 糞便検査
※腹部・胸部超音波検査、レントゲン検査に関しては事前予約が必要となる場合がございますので、詳しくは当院までお問い合わせください。
健康診断に関しての注意事項
必要な検査の内容によってはお時間が必要なことがございます。
お時間がかかる場合は、午前中にお預かりし、検査終了予定の夕方にお迎えにお越しいただくこともございますので、
詳しくは当院までお問い合わせください。
予防歯科
人と違い動物さんの歯石除去には全身麻酔が必要となります。軽度のうちの歯石除去と共に日々の歯ブラシやデンタルケアにより歯の健康を守りましょう。
定期的なデンタルケアにより歯科処置のための全身麻酔の回数を減らすことができます。
ペットの健康も基本は日々の食餌からです。
その為のお口のケアは毎日のケアの中でも最も大切なケアと言えます。
時間外診療について
時間外は急患に限り、獣医師が診察可能な場合は出来る限り対応させて頂きます。ただし、獣医師不在の場合には対応できないこともありますので、一度電話にてお問い合わせください。
※急患でないご用件の場合は、病院の診療時間内でご連絡ください。
(TEL:0532-34-3155)
留守番電話での対応となっております。必ず番号を通知する設定にして電話をおかけ下さい。
発信音の後に
- 診察券番号
- 飼い主様、動物さんの名前
- 症状
- 折り返しの電話番号
を入れて(録音して)、電話を切ってお待ち下さい。
診察可能であれば、15分以内に折り返しご連絡します。獣医師不在、他の急患の対応など諸事情により折り返しの電話が難しい場合がありますので予めご了承ください。
診察には、通常の診察料以外に時間外診察料がかかります。
尚、緊急でない症状の場合は様子を見てもらうこともあります。